SQL 2022
3 Topicsイメージのランダム化を強制する(必須ASLR) に「既定でオンにする」を設定した場合、Express Edition の日本語版のインストーラの起動に失敗します
こんにちは。日本マイクロソフト SQL Server サポートチームです。 事象: イメージのランダム化を強制する(必須ASLR) に「既定でオンにする」を設定した場合、SQL Server 2016 ならびにSQL Server 2019 のExpress Edition の日本語版のインストーラ(SQLEXPR_x64_JPN.exe) の起動に失敗します。 なお、イメージのランダム化を強制する(必須ASLR) の規定値は「既定でオフにする」であり、既定値では発生しません。 また、SQL Server 2014、SQL Server 2017、SQL Server 2022 のExpress Edition の日本語版のインストーラー(SQLEXPR_x64_JPN.exe) では発生しません。 ※ 公開時点 イメージのランダム化を強制する(必須ASLR)の設定手順は以下となります。 スタートメニューより[設定] -> [更新とセキュリティ] -> [Windows セキュリティ] -> [アプリとブラウザーの制御] -> [Exploit Protection の設定] -> [システム設定] -> [イメージのランダム化を強制する (必須ASLR)] 図.Windows セキュリティ画面(ご参考) 原因: SQL Server のセットアップは、イメージのランダム化を強制する(必須ASLR) を想定しておらず、SQL Server 2016 ならびにSQL Server 2019 のExpress Edition の日本語版のインストーラ(SQLEXPR_x64_JPN.exe) では、対応が行われていません。 イメージのランダム化を強制する(必須ASLR) に「既定でオンにする」を設定した環境で、インストーラ(SQLEXPR_x64_JPN.exe) の起動に失敗する以外の問題はありません。 回避策: 恐れ入りますが、SQL Server 2016 ならびにSQL Server 2019 のExpress Edition の日本語版のインストーラ(SQLEXPR_x64_JPN.exe) を変更し、再リリースする予定はありません。 そのため、イメージのランダム化を強制する(必須ASLR) に「既定でオンにする」を設定している環境では、次のように一時的に「既定でオフにする」に変更して展開し、SQL Server をインストールします。 1) イメージのランダム化を強制する(必須ASLR)を、「既定でオフにする」に変更します。 2) SQL Server 2016 またはSQL Server 2019 のExpress Edition の日本語版のインストーラー(SQLEXPR_x64_JPN.exe) を起動してファイル群を展開します。 3) イメージのランダム化を強制する(必須ASLR)を、「既定でオンにする」に変更します。 4) SQL Server のインストールを進めます。 なお、SQL Server Express を再配布されている場合、現時点でパッケージを展開して再配布することは、モジュールの変更とはみなされないことを確認しています。9.4KViews0likes0CommentsSQL Server 2022 分散型可用性グループにおける同期失敗
こんにちは。SQL Server サポート チームです。 今回は、分散型可用性グループにおける同期が突然失敗する事象についてご紹介します。 事象 SQL Server 2022 で分散型可用性グループを構成し FILESTREAM を使用している環境において、正常に稼働していた分散型可用性グループが突如同期に失敗し、同期の状態が NOT_HEALTHY になります。 <事象発生構成> ・SQL Server 2022 ・分散型可用性グループ ・FILESTREAM 原因 前提として、FILESTREAM の機能はログの順序性が重要になっています。 SQL Server 2022 より、パフォーマンス向上を目的に分散型可用性グループ間で、下記の弊社公開情報に記載している通り複数の TCP 接続を使用できるようになりました。 SQL Server 2022 の新機能により複数の TCP セッションからログを転送することで、FILESTREAM の内部的なログの順序がずれてしまうことで、同期に異常が発生することが原因です。 本事象についてはSQL Server 2022 の動作上の制限になります。 SQL Server 2022 (16.x) の新機能 - 可用性 https://learn.microsoft.com/ja-jp/sql/sql-server/what-s-new-in-sql-server-2022#availability ***** 分散型可用性グループ - tcp 待機時間が長いリモート リンク間のネットワーク帯域幅使用率を向上させるために、複数の TCP 接続を使用するようになりました。 ***** 対処策 本事象の対処策は、トレースフラグ 5597 を設定することです。 トレースフラグ 5597 は、SQL Server 2022の新機能(分散型可用性グループにおける複数TCP使用) を無効するのみで、以前のバージョンと同等な動作となり、他への影響はありません。 変更手順 トレースフラグ 5597 の設定方法は、以下の通りです。 トレースフラグ設定方法 -------------------------------- 1) SQL Server Configuration Manager (構成マネージャー)を起動します。 2) SQL Serverのサービス-> SQL Server (MSSQLSERVER もしくは インスタンス名) を右クリックし、プロパティを開きます。 3) [起動時のパラメーター] タブの[起動時のパラメーターの指定] ボックスに下記の値を入力し、[追加] をクリックします。 -T5597 5) [OK]をクリックし、設定を確定します。設定は、次回SQL Server サービス起動後に有効になります。1.2KViews0likes0Comments